はじめに
こんにちは!Sawa です!
普段は Java を使用したシステム開発に携わっており、2025年3月に Java SE 17 Programmer I (1Z0-825-JPN) 試験(Java Silver SE 17)に合格しました。
そして、この度 Java SE 17 Programmer II (1Z0-826-JPN) 試験(以下 Java Gold 17)にチャレンジし、合格できました。
Java Gold 17 は2025年2月にリリースされた新しい試験で、現時点(2025年6月)では定番の参考書(いわゆる黒本や紫本)がまだ発売されておらず、対策方法などの情報もありませんでした。
当ブログでは、資格についての情報が少ない中ででどのように試験対策を進めたのか、また受験を終えての感想などをお伝えします。 Java Gold 17 を受験したいけど情報がなくて対策できないという方の参考になればと思います。
対策法
さっそくですが、私が試験対策で主にしていたのは以下の3つです。
- Java Gold 11 の黒本を解く
- JDK 17 ドキュメントを読む
- 実際にコードで挙動確認
上記の対策法について詳しく説明していきます。
1. Java Gold 11 の黒本を解く
メインの勉強法として、Java Gold 17 の前バージョンである Java Gold 11 の黒本を使用しました。
前バージョンの参考書では不十分なのでは?
と疑問に思われるかもしれません。
しかし、Java Gold 11 の参考書で十分対策が可能です。
その理由は、Java Gold 17 では新しい出題分野がほとんど追加されていないためです。
以下で Java Gold 11 と Java Gold 17 の違いを比較してみましょう。
概要 | Java Gold 11 | Java Gold 17 |
---|---|---|
試験時間 | 180 分 | 90 分 |
出題数 | 80 問 | 60 問 |
出題分野 (一部抜粋) | ・Java の基礎 ・ 例外とアサーション ・インタフェース ・コレクション ・関数型インタフェース ・ラムダ式 ・Java ストリーム API ・ファイル I / O ・モジュール ・並列処理 ・セキュアコーディング ・JDBC ・ローカライズ ・アノテーション | ・コレクション ・ジェネリクス ・関数型インタフェース ・ラムダ式 ・Java ストリーム API ・モジュール ・並列処理 ・ファイル I / O ・JDBC ・ローカライズ |
参考
Java 11 : Java SE 11 Programmer II (1Z0-816-JPN) 試験
Java 17 : Java SE 17 Programmer II (1Z0-826-JPN) 試験
出題分野や試験概要の詳細については上記の公式ページをご覧ください。
上記の表の出題分野で Java Gold 11 と Java Gold 17 に共通している分野は太字にしています。
このように比較するとどうでしょうか?
あれ、Java Gold 17 で新しく出題された分野ってなくね?
そうなんです! Java Gold 17 から新たに出題された分野はほとんどありません。
上記の表は大枠の分野のみを記載しているので詳細を見るとごく一部だけ追加されているようなものをあります。
しかし、Java Gold 17 の分野は Java Gold 11 の分野が網羅していると考えても大丈夫です。
試験範囲が狭くなったことは一問の難易度が高くなってるんじゃないの?
と思うかもしれません。
しかし、試験時間は半分になっており、出題数も減っているため、一問の難易度はさほど変わらないと考えて良いでしょう。
(Java Gold 11 の黒本を解いてから Java Gold 17 に挑みましたが、難易度の変化は感じられませんでした。)
このような理由から、私は Java Gold 11 向けの黒本を使い、Java Gold 17 に出題される範囲にマークを付け、その該当部分のみを重点的に解いて学習を進めました。
ただし、単に問題を解くだけでなく、解説をしっかり読み込み、理解を深めることが重要です。
この方法だけでも対策になると思いますが、Java Gold 17 専用の参考本がないため以下の2つの追加対策も実践しました。
2. JDK 17 のドキュメントを読む
黒本をひと通り解き終えた後は、JDK 17 の公式ドキュメントを活用して、より確実に知識を定着させました。
ただし、すべての出題分野をドキュメントで確認するのはかなりの労力を要します。
そのため、他の方の Java Gold 11 合格体験記などを参考に、よく出題されるとされていた Stream や関数型インタフェース に的を絞って重点的に調べました。
実際、Stream に関する問題は非常に多く出題されました(詳細は後述)。そのため、Stream
関連のメソッドについては、JDK のリファレンスを使って一通り目を通しておくことをおすすめします。
特に、Stream の各メソッドについては、
「どのような処理が行われ、どのような戻り値が返されるのか」に注目して理解を深めるよう心がけました。
3. 実際にコードで挙動を確認する
黒本を解き、JDK のドキュメントにも目を通したら、実際にコードを動かして確認してみましょう。
実際に手を動かしてみると、「黒本のサンプルコードのここを変えたらどうなるんだろう?」といった疑問がいろいろと湧いてきます。
私は主に、参考書を読んでいて疑問に感じた部分について、実際にコードを書いて動作を確認していました。
これにより理解が一気に深まり、個人的には最も効果的な学習方法だったと感じています。
とはいえ、一からすべて自分でコードを書くのはかなり大変です。
そこで私は、生成AIに「こういうコードを書いて」と指示して出力させたものを活用していました。
そのコードを、Java が実行できるブラウザ上の環境(例えば Paiza.io など)に貼り付けるだけで、簡単に挙動を確認することができました。
受験後の感想
以上のような対策を行った上で、実際に Java Gold SE 17 を受験しました。
結果は…… 正解率 75% でした!(高すぎず、低すぎず、ちょうどよい結果だったと思います)
体感としては、Stream、関数型インタフェース、スレッド、モジュールあたりが特によく出題されていた印象があります。
中でもモジュールについては、もともと苦手意識があったため、想定より出題数が多くて焦りました……。
もちろん、その他の分野からもバランスよく出題されるため、どの分野も満遍なく対策しておくことが重要です。
実際に受験してみて感じたのは、Java Gold SE 11 の参考書だけではやや厳しかったということです。
対応する Gold 17 専用の参考書が存在しない分、自分で調べて補完する対策が不可欠だと強く感じました。
また、前提知識として Java Silver SE 17 の内容が問われる問題も含まれています。
Silver を受験済みの方でも、内容を忘れないよう復習しておくと安心です。
特に、record
の使い方などは押さえておくと良いでしょう。
もし Silver SE 17 を未受験の場合は、そのあたりから先に勉強しておくことをおすすめします。
さいごに
今回は、対応する参考書がない状態で Java Gold 17 に挑戦した体験について書いてみました。
受験料は消費税込みで4万円を超える高額な出費となるため、Java Gold 17 に対応した参考書が発売されてから、十分な準備をして受験されることを強くおすすめします。
みなさんもぜひ Java Gold 17 取得を目指してみてはいかがでしょうか。